外壁塗装の基礎知識をわかりやすく解説します!
外壁塗装工事の費用は、現場によって金額にばらつきがあります。
「外壁を塗り替えたいけど、費用相場がわからなくて予算が立てられない」
「信頼できる業者に頼みたいけど、業者の選び方がわからない」
などの悩みや不安を抱えて、外壁塗装工事をためらっている方も少なくありません。
この記事では、外壁塗装の費用相場と業者選びのコツについて、塗装費用が決まるしくみや見積もりのチェックポイントなども交えながら解説します。
外壁塗装費用の相場は?
戸建て住宅の外壁塗装工事費用の相場は、30〜40坪の建物で約80〜120万円が相場です。
ただし、家はそれぞれ形も違えば建っている土地の気候も違います。起きる劣化の種類や進行度も家によって異なりますので、「定価」が存在しません。
建物ごとに費用にばらつきがある外壁塗装工事において、ご自宅の工事費用が相場の範囲内か調べるためには、「施工単価相場」を知っておきましょう。
「施工単価相場」とは、「1平米あたりの作業量に対する単価」のことです。
外壁塗装の工事費用は、複数の工程の合計金額です。
各工程の施工単価相場さえわかっていれば、塗装業者からもらった見積もりの施工単価と照らし合わせて、相場内かどうか判断できるようになります。
外壁塗装費用の内訳と相場
どの外壁塗装業者に依頼しても、外壁塗装工事では必ず以下の工程が行われます。
- 足場の設置と解体
- 養生
- 高圧洗浄
- 下地調整
- 塗装
外壁塗装業者との打ち合わせでは、上記の工程それぞれの施工単価が見積もりに記載されているか、必ず確認しておきましょう。
以下からは、各工程の平米あたりの施工単価相場について、行う目的と併せて解説します。
なお、記載している相場は、あくまでも目安の金額とお考えください。
足場設置費用
外壁や屋根の高所で安全に作業が行えるように、建物の周囲に足場を組みます。
施工単価相場:約700〜900円/uあたり
養生費用
養生とは、塗料が外壁や屋根以外の場所に飛び散らないように、足場の周りにメッシュシートを貼ったり、窓や玄関ドア、車などをビニールシートで覆ったりする作業のことです。
施工単価相場:約300円/uあたり
高圧洗浄費用
外壁や屋根の表面に付いている汚れやカビ、効果を失った古い塗膜などを、強力な水圧で洗い流す作業です。
カビが広範囲に発生している外壁や屋根では、薬剤を混ぜた水で菌を洗い流すバイオ高圧洗浄が行われることもあります。
施工単価相場:
- 水道水の洗浄:約150〜200円/uあたり
- バイオ洗浄:約400〜800円/uあたり
下地調整費用
下地調整とは、塗料を塗る前に外壁や屋根のひび割れやサビを補修し、後から塗る塗料を外壁にしっかりフィットさせるために行う様々な工程の総称です。なお、先述の高圧洗浄作業を下地調整に含める見積もりもあります。
下地調整費用の施工単価相場:
- シーリング打ち替え補修:約800〜1,000円/mあたり
- ひび割れ補修(シール工法):約1,000円/mあたり
- ひび割れ補修(Vカット工法):約2,000〜5,000円/mあたり
- 鉄部のケレン作業:約400〜2,000円/uあたり
シーリングとは、外壁材同士の継ぎ目や、外壁材と窓サッシの隙間に充填する樹脂性の部材です。
シーリングが脆くなっていると、継ぎ目や隙間から建物内部に雨水が入ってしまい、雨漏りや躯体強度低下の原因となってしまいますので、下地調整の際に新しいシーリング材と交換します。
外壁のひび割れが浅い場合は、割れ目に直接シーリング材を注入して割れを塞ぐ「シール工法」で補修します。
割れが深い場合は、V字の工具で割れを削り取ったあと、シーリング材を充填して埋め戻す「シール工法」が行われます。
ケレン作業とは鉄部のサビを落とす作業のことで、サビが進行しているほど費用が高くなります。
塗装費用
塗装費用は選んだ塗料のグレードや種類で大きく変わるため、次の項目で詳しく解説します。
外壁塗装用塗料のグレードと単価相場について
外壁塗装用の塗料には、現在5段階のグレードが存在し、施工価格が高いものほど耐用年数は長くなります。
- アクリル塗料
- ウレタン塗料
- シリコン塗料
- ラジカル制御型塗料
- フッ素塗料
さらに、上記のグレードの違いに加えて、塗料には様々なプラスアルファの効果を持つ「機能性塗料」もあります。
アクリル塗料
アクリル塗料は発色が良く安価な塗料ですが、耐用年数が非常に短く紫外線で劣化しやすいという欠点があります。
施工単価相場:約800〜1,000円/uあたり
耐用年数:約5〜8年
ウレタン塗料
ウレタン塗料は伸びが良く、価格も手頃で耐久性もある塗料です。雨樋や雨戸などの付帯部塗装で特に使われています。
施工単価相場:約1,500〜2,200円/uあたり
耐用年数:約8〜10年
シリコン塗料
シリコン塗料は、耐用年数が約10〜15年と長く価格も高すぎないため、コストパフォーマンスに非常に優れた塗料として人気があります。
施工単価相場:2,500〜3,500円/uあたり
耐用年数:約10〜15年
ラジカル制御型塗料
ラジカル制御型塗料とは、外壁の塗料を劣化させてしまう原因である「ラジカル」を制御する力を持つ塗料です。
一つ下のグレードであるシリコン塗料と同程度の価格にも関わらず、優れた耐久性を発揮します。
施工単価相場:3,000〜3,600円/uあたり
耐用年数:約10〜16年
フッ素塗料
最もグレードが高いフッ素塗料は、施工費用が非常に高額ですが、一回塗装すると約15〜20年間は紫外線による色あせや劣化から外壁を守ってくれます。
施工単価相場:4,000〜4,500円/uあたり
耐用年数:約15〜20年
機能性塗料とは?
外壁塗装では、以下のような機能性塗料を使って、お住まいの困り事を解消することもできます。
- 断熱塗料…断熱効果により、空気の移動を防いで暖かい空気を外に逃がさない
- 遮熱塗料…遮熱効果により、屋外の熱が室内に入らないようカットする
- 弾性塗料…外壁が動くとゴムのように伸びて、ひび割れを防ぎ割れ目もカバーする
- 光触媒塗料…紫外線に反応して汚れを分解する。分解された汚れは雨で流れ落ちる。
- 無機塗料…紫外線で劣化しない磁器や石などの「無機質」を配合した塗料。
各機能性塗料の価格は、ベースに使われている樹脂のグレードによって左右され、機能がないタイプに比べると約200〜500円高くなります。
ただし、光触媒塗料はuあたり約4,500〜5,000円、無機塗料はuあたり約5,000〜1万円と、機能性塗料の中でも価格相場が高額です。
外壁塗装工事の費用は、相場より高すぎても安すぎても危険!
外壁塗装工事の費用相場は約100万円前後が相場です。
200万円や300万円など相場の倍以上に高い見積もりは、価格が不正に吊り上げられている可能性があるため警戒しなければなりません。
ただし、外壁塗装工事は相場より安すぎても危険な理由があります。
相場の倍以上の外壁塗装工事が危険な理由
外壁塗装工事の見積もり金額が、相場の倍以上で設定されている場合は、以下の理由が考えられます。
- 施工単価が相場の倍以上で設定されている
- 不必要な作業が追加されている
- 沢山の会社が入って中間マージンが膨れ上がっている
施工単価の相場は各業者によって誤差がありますが、相場の2倍や3倍になっている場合は、不当に高く設定されていると警戒した方が良いでしょう。
その他、外壁材の張替えや基礎の調査といった、不必要な工事をいつの間にか追加する業者や、下請け業者を何社も入らせて、わざと中間マージンを大量に発生させて利益を得ようとする悪質業者の例もあります。
悪質な業者の見積もりは、施工単価や使用する塗料といった詳細情報を記載しない傾向にありますので、見積もりを見る時は必ず詳細まで書かれていることを確認しましょう。
相場の半額など安すぎる外壁塗装工事の落とし穴
外壁塗装工事では、足場の設置や下地調整といった、絶対に欠かすことのできない基本の工程が発生します。
つまり、相場費用は「基本の工事をすべて行った時、最低限発生する金額」ですので、相場費用の半額で行えるはずがありません。
従って、相場以下の安すぎる外壁塗装工事では、塗装の仕上がりに関わる大切な作業が省かれている可能性が非常に高いと言えます。
50万円のような相場の半額以下の費用で外壁塗装工事を行えたとしても、不適切な施工によって塗装が数年で剥がれてしまえば、50万円が無駄になってしまいます。
外壁塗装工事では必ず、相場の金額で基本の工程をすべて実施してもらいましょう。
信頼できる外壁塗装業者を選ぶコツ
外壁塗装工事で失敗しないためには、複数の業者に相見積もりを取って比較しながら、信頼できる塗装業者を見つけることが大切です。
信頼できる塗装業者かどうかは、以下のタイミングで調べることができます。
- 外壁塗装業者を比較する時
- 見積もりを依頼する時
それぞれのタイミング別に、業者を選ぶコツを押さえておきましょう。
@外壁塗装業者を比較する時のコツ
外壁塗装業者を比較する時は、業者のホームページなどから以下の情報を集めておきましょう。
アフターフォローが用意されているか?
業者を選ぶ時は最初に、外壁塗装工事が終わった後の「アフターフォロー」の有無を確認しておきましょう。
外壁塗装は、きちんと施工していても、天候や気温が原因で思わぬ施工不良を招くことがあります。
施工不良による塗り直し費用を負担せずに済むように、万が一の自体に備えて、アフターフォローや保証を発行してくれる業者を選びましょう。
アフターフォローは施工した業者によって内容に違いがありますので、以下のポイントを押さえてフォローの内容まで比較することが大切です。
- 保証書は発行されるか
- 保証範囲に制限はあるか
- 訪問によるアフター点検が行われるか
- アフター点検の間隔
塗装工事に関する有資格者が在籍しているか?
視覚の有無は、業者のホームページや会社に掲示されている許可証などで確認することができます。
塗装業者の信頼性を裏付ける資格としては、
- 塗装技能士
- 施工管理技士
- 自治体の建築許可
などがあります。
「塗装技能士」は塗装職人の技術力を示す国家資格であり、一級になれば試験の難易度も高いため、信頼度もさらに増します。
施工管理技士とは現場のスタッフや作業品質を管理する力を持つ人のことで、様々な工程を複数の職人が行う外壁塗装工事では、現場を取りまとめてくれる頼もしい存在です。
なお、外壁塗装工事では、自治体の建築許可は絶対に必要ではありません。
しかし、建築許可を持つ業者であれば、500万円を超える建築工事が受注できるようになるため、許可を取得している塗装業者は、規模が大きな工事を経験しているという意味で信頼できると言えるでしょう。
業者から連絡をこまめに取ってくれるか?
屋外で行う外壁塗装工事は、天候や自然災害などでいつスケジュールが乱れても不思議ではありません。
施主からの電話やメールにこまめに返信してくれる業者であれば、工事が始まった後も、工事実施や中断を早めに連絡して、作業の進捗も報告してくれるでしょう。
塗装工事中の施主の生活に配慮してくれるか?
初めての外壁塗装工事では、生活にどんな不便が生じるかわかりません。工事前に不安に感じていることを打ち合わせの時に塗装業者に伝えていれば、配慮して施工してくれます。
例えば、「体調が優れない家族がいる」と伝えれば、臭いが強い塗料の使用を避けたり、塗料を使用する前に声をかけたりして体調に配慮してくれるでしょう。
あるいは、庭でペットを飼っている場合は、ペットを庭に開放できない期間や時間帯をあらかじめ伝えてくれたり、ペットが施工箇所に近づかないようサークルを設けたりしてくれる業者もいます。
A外壁塗装業者の見積もりをチェックする時のコツ
塗装業者から見積もりを渡された時は、金額の安い・高いだけでなく、以下の点がクリアされていることを確認しましょう。
見積もりに作業項目まで記載されているか?
見積もりに作業項目が記載されていなければ、何の作業にいくら費用がかかるか確認することができません。
また、項目ごとの施工単価がわからなければ、業者の価格設定が相場の範囲内か調べられなくなってしまいます。
頼んでいない作業を勝手に追加されたり、不当な費用を請求されたりしないように、見積もりには必ず作業項目と施工単価も記載してもらいましょう。
外壁塗装の専門用語を丁寧に解説してくれるか?
外壁塗装工事の見積もりには専門用語が記載されていることも多く、書かれている内容が理解できなくても不思議でありません。
信頼できる塗装業者であれば、見積もり内の専門用語は必ず解説し、不明点があれば快く回答して、工事の全体像を丁寧に説明してくれます。
外壁塗装業者を紹介してくれるサービスの活用もオススメ!
ここまで外壁塗装費用の相場や、信頼できる外壁塗装業者を選ぶコツについて解説してきましたが、いざ自分で探して判断するとなるとなかなか大変だと思われる方も多いと思います。
外壁塗装の業者は全国で10万社
実は、外壁塗装行工事を行う業者の数は、日本全国で約10万社ぐらいあると言われています。
その多くは昔ながらの地域の塗装専門店や工務店など中小規模の業者ですが、最近ではホームセンターやハウスメーカー、果ては家電量販店などもリフォーム事業に参入してきていて、逆に選択肢が多すぎてなかなか選べないというケースも増えてきています。
また、業者を選ぶにあたっては、相見積もり=複数の業者から見積もりを取って比較・検討することが大切です。
ただ、初めて外壁塗装を依頼する場合など、見積もりを依頼する業者を複数選ぶだけでもかなりの手間ですし、自分から業者に直接電話するのもハードルが高いと感じる方も多いと思います。
そんな時に便利なのが、地域に応じて優良な外壁塗装業者を紹介してくれるサービスです。
優良な業者だけを紹介してくれるサービス「ヌリカエ」
外壁塗装業者の紹介サービスや、一括見積もりサービスにもいろいろあるのですが、その中でも「ヌリカエ」は地元密着の業者から全国展開している大手業者まで、全国約1000社が加盟している業界最大級の紹介サービスです。
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ネット上で同様のサービス内容を謳っているところもありますが、一見サイトの見た目がしっかりしていても、サービスの運営歴がまだ浅く、実際には紹介実績の少ないケースもありますので気をつけましょう。
独自の審査を通った優良な業者を複数社紹介
ヌリカエに登録されている業者は全て加盟時に独自の厳しい審査基準を満たしていますし、一旦加盟した後も運営会社による審査が行われているという点が信頼できます。
近年社会問題になっているような、訪問営業による悪質な業者との契約トラブルなどを回避できますし、地域に応じて加盟業者の中から最大4社を紹介してくれますので、自分で複数の業者を探して相見積もりを取る手間を大幅に省くことができます。
外壁塗装に詳しいアドバイザーにまず相談できる
いわゆる「一括見積もりサービス」の中には、登録するといきなり複数の業者から直接電話がかかってくるケースもあり、しつこく勧誘されないかなど不安に感じている方もいると思います。
その点ヌリカエでは、まず運営会社の専門アドバイザーから連絡があり、そこでまず自分の要望を伝えたり、不安な点などを相談した上で必要に応じて見積もりを取る形です。
もちろん、まだ検討中でとりあえず費用相場を知りたいという方や、外壁塗装についてまだ詳しくないので色々と教えて欲しいという方でも利用できるサービスなので、安心して使ってみてください。
まとめ
外壁塗装の費用が相場内か調べるためには、わかりやすく詳細な見積もりを作ってくれる塗装業者に出会うことが肝心です。
塗装業者を比較する時は、見積もりが相場内かどうかだけでなく、資格の有無や施主への態度などもしっかりチェックして、信頼できる業者を見つけましょう。